白木蓮の庭

あの日を思い出して。

1月2日 晴れのち曇り 普通 「自分を磨く363日目」

私が実家に戻ってしばらく居候していた時の話。

 

何かの用事で母の実家から私の実家まで車で送ってもらっていた時に

未舗装の農道と神社の方に向かう旧道のY字路で、大きなエゾシカに遭遇しました。

頭の高さまでは200cmはありそうな立派な雄鹿。角は両方皮が剥がれ落ち、先は鋭く

片方の角の全長は100cmを優に超えていたでしょうか。

きっと彼はこの辺りの主なのだろうと直感しました。

真正面から私たちが乗った車をじっと見据えて、一歩も動きません。

「あんなのに突進されたらひとたまりもないだろうな」

と察したほどの迫力に満ち溢れていました。

 

…後にも先にもそれきり、あの雄鹿には遭遇していませんが

畏れはあるものの、ここで少しは安心して過ごして良いのかなと思えました。

 

 

なぜこんな話をしたのか。

それは、ある地域に移送された鹿が自活できないでいるという話を聞いたから。

鹿なんて放っておけばすぐに増えて、下手すれば害獣扱いされる。

でもそれは主食になるものがあるから。

鹿は日本には割と多くの種類がいて、適応能力も高い生き物だともされている。

ただ、それも食べ物があってこそのようです。

 

視点を少し変えて。

ハンターの数も鹿の数に適応されていなかったり、一部の愛護団体の反対があったり

一時は絶滅の憂き目にも遭っているので、道でも難しい問題の一つのようです。

銃の取り扱いについての問題もね。

エゾオオカミの絶滅も生態系のバランスが変わった一つだともされていて

最近はヒグマが捕食するケースが増えていることで、ヒグマの数も増えているそうな。

三毛別の悲劇や、最近ならOSO18(オソ)という牛食いの事件。

オソの牛殺し事件は被害金額もさることながら、酪農を営んでいる住民に多大な

ストレスを及ぼしています。

www.sankei.com

オソツベツという地域の前足の大きさ18cmのヒグマ。なので名前はオソ。

このヒグマがなぜ乳牛ばかり食い殺すのか解りかねるけど

人間の仕掛けた罠も無視し、狩猟ができない夜中に牛を見つけては食い殺すので

とても賢い。キムンカムイ(山の神)とアイヌの中でも崇敬されているヒグマが

「何か」に強く反応しているのは確かだと思うけど…。

オソの亡骸を見つけた場合には、徹底して状態を観察して丁重に葬ってあげてほしいな

と思っています。

 

先の、適応が難しい地域の鹿の話と乳牛を襲うヒグマの話は

全然違う話のようで共通点がたくさんあります。

 

これは私の考えですが、本来は私たちに様々な豊穣を与えるユクカムイと

丁寧に霊を送ることによって次の時期の豊穣を約束するキムンカムイ。

命のやり取りには、それ相応の対価を捧げる必要があるのかもしれません。

 

…まぁ、スピ系の視点で言うなら。ですけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

εiз

私の実家の近所に現れたユクカムイに出会ってから、人との縁が増えました。

なぜ?と聞かれても分からないけど…。だからか手慣付けようとは思わないです。

だけど、シカ肉は美味しいです。角は食器にもなるし、お守りにもなる。

まさしくユク(与える)カムイ(神)なのだなぁと思っています。

ヒグマ肉はまだちゃんと食べた記憶がないなぁ…。よくカレー缶になってるけど。

その内食べてみようかな。