今日は幼馴染の命日です。享年19歳。
彼は早朝、車で出勤中に反対車線を走っていた夜行バスと正面衝突をして即死した。
3月に18歳になったばかりだった。
保育所からの幼馴染の中では、一番最後に生まれた人。
私の方が3ヶ月お姉さん。
小学校に上がる前に小中共有のグラウンドで、私が一人で遊んでいるときに
サッカーボールを取ってほしいと声をかけられて、友だちになった子。
陽気でマイペースで優しい子だった。
中学に上がってそれぞれ男女を意識するようになっても、彼はアイドルが好きで
私はロックバンドが好きで、特に強い交流はなかった。
高校も同じで、3年間同じクラスだった。
サッカー好きの少年は、いつの間にか野球少年になってピッチャーをしていた。
バレーボールが嫌いな私は美術部を作ったり、新聞局に入り部長をしていた。
ある高校の夏、私はその少年をモデルに等身大の人形を作ることになった。
頭周り、耳の大きさ、首の太さ、美術部にいた身としてクラスの中でバランスが
良かったし、物理的に近づくことが嫌ではなかったから。
我ながらよくできた人形の頭部だった。
そんな昼休みに、クラスメイトたちの手拍子と掛け声だけで一緒に踊ったりもした。
創作をベースに我流のラテンを混ぜながらのダンス。
彼とは恋人関係ではない、ただの幼馴染なんだけど…。
踊りが終わったあとの、ホールの2階から降ってくる拍手の心地よかったこと…。
思わずハグをした。 そういう記憶。
未だに、なぜ彼が死ぬことになってしまったのかと思うけど
棺に入ってて骨として出てきたから、もうこの世に居ないことは確かだ。
未だに私が車の免許を取ろうと思わないのは、その事があったから。
「前に進めていない」と誰かは言うでしょう。
そうかもしれない。
でもね、車なしって不便ではあるけど…それ以上の楽を私は知らないので^^
ないならないで、生きていける世の中だし。
「みんなとは違う方向を選んだ」だけだと思ってるよ。
20年前の明日は、彼の告別式。
彼の家はクリスチャンで、散骨されたそうだ。
誰かに「お前は死神だ」って投げつけられたって、私と幼馴染の友情に傷をつける
ことは許さない。自然と一つになった少年は、風に乗って私を見守ってると思う。
思想の自由があるなら、そう思ったっていいじゃないか。
心地良い風が吹いてきたら、彼が遊びに来たのかもしれないと思ったって。
少なくとも私が覚えていれば…この胸の中で、少年は生きていてくれるから。
きっと忘れることはないと思う。
私の記憶が確かであれば、20年前の明日は抜けるような青空。快晴だった。
εiз
まるで物語のようだよね。